開発言語や環境の移植

最近増えている開発依頼として、ソフトウェアの開発環境や開発言語の変更、移植があります。 2000年前後に開発されたC++によるプログラムからC#への移植の他、開発環境を最新としてC++のプログラムの調整まで様々です。

C++での開発が増えてきたころ、C++の特性を理解できないプログラマーが制作した煩雑なソースコードがありました。 現在でも時々見受けられ、移植を依頼されたときの分析に悩むことがあります。

長くソフトウェアを活用するためには、開発環境の最新化、プログラム言語の見直し、ドキュメントの整備が重要です。 販売されているシステムや商品が最適な状態であるか、定期的に開発したソフトハウスに確認することをお勧めします。

ポイント.

ソフトウェアは一度作れば永久ではない

ソフトウェアの開発環境は進化しています。 開発環境がバージョンアップをするたびに、開発しやすくなり、メンテナンス性も向上します。 全てのシステムエンジニアやプログラマーが、古い開発環境を熟知しているわけではなく、 大体その技術者がプログラミングを始めた時期の最新開発環境以前のものは専門ではないと考えていいでしょう。

システムエンジニア、プログラマーなら、誰でもメンテナンスできるようにある程度バージョンアップを行っていたほうが保守コストが下がります。 数十年前の開発環境から、最新の開発環境に移植する場合、移植のコストだけでも数十万かかることもよくあります。

プログラム言語も、同様に進化しています。 OS上で動くソフトウェアは、OSのバージョンに合わせなければなりません。 特にハードウェアに近い計測や制御の分野では、OSとの親和性は無視できません。 一例としてWindows7とWindows11は、同じWindowsという名前であっても、別物と考えたほうが正しいです。

長くプログラムを活用するために、ときどき開発環境やプログラム言語の見直すことを強くお勧めします。 取引のあるソフトハウスに保守の契約をして、定期的に提案を受けるのも正しいソフトウェアの管理方法だと思います。 どうしても移植をしなければならないケースになり、膨大な移植費用を捻出するならば、定期的な保守を受けたほうがコストは軽減されます。

制作したエンジニアは、永久に保守を行ってくれない

これはソフトウェア産業の特徴でもありますが、総務省統計局による平成26年の調査によると、従業員数が10名以下のソフトハウスが全体の2/3を占めます。 帝国データバンクの調査によると、経営者の平均年齢が60歳程度であることから、「高齢経営者によるソフトハウス経営」に注目する必要があります。 取引していたソフトハウスの廃業で、開発が頓挫してしまったという相談が増えています。 また廃業はしないとしても、担当のエンジニアの退職を機会に、保守サービスが受けられなくなるケースもあります。

そのような事態を見越して、将来の保守や機能追加などのバージョンアップを円滑に行うよう設計ドキュメントの整理とソースプログラムの管理は必要です。 著作権を主張して、ソースプログラムを手渡さないソフトハウスもあるようですが、その場合はしっかり保守の契約を行い、保守の義務を確立しておくべきだと思います。

当社の技術紹介.

エンジニアの多言語対応

プログラムが作れないシステムエンジニアが増えています。 当社ではプログラミング教育を重視し、プログラムを作れるようになってからシステムエンジニアに昇格する技術制度で運営しています。 したがって、当社のシステムエンジニアは全員プログラムが作れます。

またお客様のご依頼に応じるため、複数のプログラミング言語に対応する教育も行っています。 例えばC系の言語ならば、C言語、C++、C#のプログラム言語が取り扱えます。 また最近はPYTHONの依頼が増え、実務で取り扱う機会のないエンジニアも、興味をもって学習を行っております

仕様書がない既存プログラムの対応

ソースプログラムは現存するが設計書が全くない場合、調査を行った上で対応することができます。 ただしソフトウェアで制御する機器の通信仕様がない場合など、対応できないケースもありますのでご了承ください。

開発環境が全く不明なシステムの対応

動作するシステムが現存する場合、調査、試作を行った上で対応することができます。

ご提案.

最新の状態を知る

ソフトウェアが動作するOSを常に新しいものにしましょう。 例えばWindowsなら、現在の最新であるWindows11で動作し、Windows10までは動作を保証できる様にしておきましょう。 OSのバージョンで新しいものがリリースされた直後は、ソフトハウスも情報が少ないことから早急の対応は難しいかも知れませんが、早めに相談したほうがいいと思います。

しっかり保守体制ができているソフトハウスですと、開発環境が変わった場合、お客様に対して情報を伝えると思います。 また他の機械を制御する場合のファームウェアやSDK(ソフトウェア開発キット)の変更もあります。 ソフトハウスの提案は無駄ではありませんので、しっかり受け止めたほうがいいと思います。

設計書類はありますか?

すぐにご確認ください。 現存するソフトウェアの設計書はありますか。 もしない場合は、ソフトウェアを制作したソフトハウスに提供を依頼し、内容はわからなくても自社で管理すると安心です。

ソースプログラムはお持ちですか。 ソースプログラムがないと変更も保守もできません。 お任せしているソフトハウスにある場合は、しっかり保守の契約を行ってください。

ソフトハウス選び

自社にとって、便利なソフトハウスと長いお付き合いをすることがポイントとなります。 何か困ったことがあれば相談に乗ってくれる。ソフトウェアを含むコンピュータ関係の情報を提供しくれるようなソフトハウスとの付き合いは、ビジネスをプラスとするはずです。

社長や技術者が高齢のソフトハウスは、技術力は期待できますが、継続性を見極める必要があります。 次期社長や技術者の部下の存在は、お付き合いをしていて心強いものです。 普段からのコミュニケーションを通じて取引しているソフトハウスの現状を知ることも重要だと思います。

もしプログラム言語の選択で困った場合は、お近くのソフトハウスに相談してください。 相談できるソフトハウスがない場合は、お気軽に弊社まで電子メールでお問い合わせください。

ご相談は電子メールでお願いいたします。

info@tears.co.jp